明けましておめでとうございます。
昨年中は大変お世話になり、ありがとうございました。
本年もよろしくお願いいたします。
お正月、おもちにおせちに、こたつでごろごろ。幸せですよね~
そんな幸せ気分いっぱいダラダラゴロゴロなお正月ですが、楽しいお正月が終わってふと体重計に乗ってみると・・・体重増えてる~
私は顔がパンパンになってしまいました(反省)
では、猫ちゃんが肥満の場合どのようなリスクがあるのでしょうか。
今回はおでぶ・ぽっちゃりな猫ちゃんの病気リスクについて記載いたします。
ぽっちゃりめな猫ちゃんはとってもキュートで気持ちいい!
中にはぷにぷにしてて可愛いから、太ったままでもいい、太らせたい、と考える飼い主様もいるかもしれません。
しかし、肥満と病気は非常に関係が深いのです。
太ってしまった猫ちゃんをそのままにしておくと、一体どうなるのでしょうか。
何キロ以上が肥満なの?という質問には、
パーセンテージで考えましょう!
適正体重が5キロの猫さんが6キロになったら、肥満なのでしょうか?
はい、肥満です。
厳しい・・・たった1キロだけで?!と驚く方もいるかもしれませんが、パーセンテージで考えるとわかりやすいと思います。
例えば、5キロの猫さんが6キロになったとします。この時、猫さんの体重は20%増加しています。
20%増えるということは、45キロの女性が54キロに、60キロの男性が72キロになるのと同じです。
相当の変化だということが、おわかり頂けたのではないでしょうか。
猫さんの適正体重を10%上回ると過体重、20%上回ると肥満と診断されます。
たった1キロだと思って油断してはいけません。パーセンテージで考えてみましょう。
1.肥満になるとかかりやすい病気
1糖尿病
猫さんの糖尿病は2型糖尿病が大部分を占めます。肥満になるとインスリンに対する抵抗性が上昇し、インスリンが効きづらくなり血糖値があがってしまいます。具体的に健康的な体重の猫さんと肥満猫を比較した2005年の研究ではオッズ比2.2で肥満猫が糖尿病になりやすいと報告されています
オッズ比:統計学の言葉。単純に2.2倍糖尿病になりやすいわけではありません。オッズ比が高い=その病気との関連性が高いことを意味します。
2皮膚病
意外かと思われますが皮膚病も肥満によってリスクが上昇します。
肥満猫さんは効果的なグルーミングができなくなってしまうことから、様々な皮膚病に罹りやすくなります(アクネ=顎ニキビ、脱毛症、フケ、皮膚糸状菌症など)。またお尻周辺が全く届かなくなると排泄物がくっついたままで不衛生な環境になります。
重度の肥満は運動性を低下させ褥瘡が発生してしまうこともあります。
3便秘、下痢
人間では便秘と肥満は関係があることが研究されています。猫さんは今のところ関連性は不明ですが、便秘がちな猫が肥満であることは多く経験しています。便秘が続くと巨大結腸症になってしまうので注意が必要です。
正常体型の猫さんと比べ肥満猫の方が下痢になりやすいことは研究で報告されてます。しばしば下痢になってしまうこは肥満が原因かもしれません。
4猫の肝リピドーシス(脂肪肝)
太ってしまった猫さんがなんらかの理由で食欲が落ちて、急速に体重が減ったときに発症しやすい猫さん特有の病気です。空腹状態が続くと体の脂肪が肝臓に動員されてエネルギーに変換されるのですが、その動員するスピードが速すぎて脂肪が肝臓を覆い尽くしてしまう病気です。
極端なダイエットをすることも肝リピドーシスのリスクになります。ダイエットするときは食事量を10%ぐらいづつ減らしてゆっくり痩せさせましょう。
急に体重が減って食欲がない、よだれが出てる、黄疸などが特徴的な症状です。肝リピドーシスは命にかかわる病気なので、これらの症状がでたら早めに動物病院にかかってください。
5膀胱/尿道疾患
肥満になるとトイレに行く回数が減り、蓄尿量が増えることで尿石症、猫さんの特発性膀胱炎、尿路閉塞、尿路感染などのいわゆる猫さんの下部尿路疾患リスクが上がると言われています。
猫さんの下部尿路疾患は室内飼いであることもリスク因子です。肥満猫は室内飼いの可能性が高く、どちらがリスク因子になっているかは不明ですが運動不足が関係しているのではないかと言われています。
6口腔内疾患(歯石、歯周病など)
2005年に発表された研究では肥満は口腔内の病気との関連性があることが報告されています。オッズ比は1.4です。
なぜ肥満がこういった口の中の病気のリスク因子になるのかは不明です、この論文ではその理由を今後調べて行きたいと締めくくっています。
7心臓病
人間では肥満が血圧と心臓の負担を増加させることがわかっています。今のところ猫では肥満と心臓病の発症が関連しているという報告はありませんが、おそらく関係あるだろうと思われています。
8関節炎
関節炎になっても、イヌのように明らかに歩行がおかしくなる猫は少ないです。もともと単独行動をしていた猫は怪我をしても周囲の獣から狙われないように怪我を隠す傾向にあります。猫は関節炎になっても段差を一気に降りなくなった、机からおりるときに躊躇する、など些細な症状しか出さないです。
最近の発表で、10歳以上の猫のは関節炎をもっている猫が今まで認識されていた割合より多いことがわかりました。
肥満と関連性が高い病気は口内炎やら、糖尿病やら下部尿路疾患やら猫に起こりやすい病気が多いですね。やはり猫も健康的な体重を維持することが長生きの秘訣だということがわかります。
大切な家族の一員の猫さんだから、できる限り健康で長生きして欲しいですよね。
日頃の飼い主さんの心がけ次第で、猫さんの寿命は伸ばすことができるのです。
ちょっとくらいぽっちゃりしててもいいや、など思わないで、できるだけ理想体重を維持してあげてくださいね^^
ご依頼日が未定の場合も、まずはお気軽にご相談ください✨