「うちの子、留守番で大丈夫かな」
多くの飼い主が抱える不安
仕事や外出で家を空けるたび、「この子は今どうしているだろう」と気になったことはありませんか。
特に留守番がどうしても長時間になってしまう時、犬は飼い主が思う以上にストレスや危険にさらされていることがあります。
とはいえ、長時間の留守番そのものを完全に避けることは難しいのが現実です。
大切なのは、正しい知識を持って備えることです。
この記事では、留守番できる時間の目安と、
負担・事故を減らすための具体的な対策を、
業界初の獣医師監修ペットシッターサービス「Olive Sitter(オリーブシッター)」の顧問獣医師・高野瀬 一祐先生監修のもと解説します。
犬が留守番できる時間の目安

留守番できる時間は、年齢や健康状態によって変わります。
無理のない範囲を知っておきましょう。
- ● 子犬の留守番時間(生後0ヶ月〜1歳頃):
排泄の間隔が短く、体力も少ないため長時間の留守番には向きません。迎えて間もない時期は、短い時間から少しずつ慣らしていくことが大切です。 - ● 成犬の留守番時間(生後1〜7歳頃):
トイレのしつけができていれば数時間程度の留守番は可能です。ただし、あまりに長時間になるとストレスや運動不足につながります。 - ● シニア犬の留守番時間(7歳頃〜):
体力の低下や持病、認知機能の変化により、以前は問題なかった時間でも負担になることがあります。年齢や体調に合わせて見直しましょう。
【獣医師チェック】数字だけで判断しない!個別リスクへの2つの視点

1.分離不安症とストレスホルモン
留守番時間が適正内であっても、分離不安傾向がある子はストレスホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌されます。免疫力の低下や胃腸障害、手足を舐め壊すなどの自傷行為を引き起こすこともあるため、遠隔カメラなどで留守中の行動を観察することが重要です。
2.シニア犬の適応力低下と慢性疾患
関節炎による痛み、腎臓・ホルモン疾患に伴う多尿、認知機能の低下により、適応力は急激に落ちていきます。「昨日まで大丈夫だった」場合でも油断はできません。徘徊による挟まり事故や失禁、自力で起き上がれなくなるリスクが高まるため、環境整備とモニタリングが欠かせません。
留守番中の事故、実際どこでどれくらい起きている?

事故対策を考える前に実態を知っておきましょう。
アニコム損害保険の調査によると、ペットのケガ・事故の内訳は以下の通りです※1。
| ケガ・事故の種類 | 割合 |
|---|---|
| 異物誤飲 | 15.1% |
| 脱臼 | 6.9% |
| 外傷 | 6.9% |
| 骨折 | 5.4% |
もっとも多いのは異物誤飲で、全体の15%以上を占めています。
発生場所を見ると、事故のおよそ半数が自宅内で起きています。
| 発生場所 | 割合 |
|---|---|
| 自宅内 | 約53% |
| 自宅外 | 約38% |
さらに、自宅内の内訳を見ると、次のようになります。
| 自宅内の発生場所 | 割合 |
|---|---|
| リビング | 39.1% |
| ケージの中、周辺 | 7.5% |
| イス、ソファーその周辺 | 6.4% |
| 寝室 | 5.9% |
| キッチン | 5.4% |
自宅内の事故の中でも、リビングが突出して多いことがわかります。
留守番中、愛犬が長く過ごすリビングまわりの安全確認が、事故予防の要になります。
留守番中の事故を防ぐ、環境づくりのポイント

1. 室温・湿度の管理(熱中症・冷え対策)
犬は体温調節が苦手で、人間以上に温度変化に弱いため管理を怠ると熱中症や体調不良につながります。
- ● 適正環境目安:年間を通して「室温20〜26℃」「湿度50〜60%」
- ● 夏場:22〜26℃を目安に設定。エアコンの切タイマーや人感センサーは必ずオフにし、遮光カーテンで直射日光を遮ります。
- ● 冬場:20〜23℃を目安に調整。ペットヒーターを使う場合は低温やけど防止のため「あたたかい場所」と「逃げ場(涼しい場所)」を両方用意します。
2. 誤飲・誤食を防ぐ
特に0〜2歳の若い犬に多いため、犬の目線で確認しましょう。
コード類、小さなおもちゃ、靴下・タオル、植物のほか、以下の危険物は特に注意が必要です。
- ● 薬・サプリメント(PTPシートごと飲んで中毒に)
- ● タバコ・加熱式タバコ(ニコチンによる急性中毒)
- ● 保冷剤・カイロ(腎不全や消化管障害)
- ● ボタン電池(数時間で胃腸粘膜を溶かす)
- ● 竹串・コイン・輪ゴム(内臓刺傷や腸閉塞)
- ● 化粧品・洗剤類(容器ごと噛んで誤飲)
注意
水分の多いペースト状・半生のおやつの置きっぱなしは雑菌繁殖やお腹を壊す原因になり、袋ごとの誤飲リスクも高いため厳禁です。
3. 飲み水を切らさない
器をひっくり返してしまっても大丈夫なように、飲み水は複数箇所に用意しておきましょう。
【獣医師チェック】留守番中の「ヒヤリ・ハッと」を防ぐ4つのポイント

1.ストレス誤飲の防止
寂しさや退屈(分離不安)からクッションやマットを噛みちぎったり、飼い主の匂いが強い靴下や使用済みティッシュを誤飲するケースが多発します。フタ付きゴミ箱等で徹底遮断してください。
2.個体差に応じた温湿度管理と停電対策
短頭種(ブルドッグ等)やシニア犬、持病のある子は夏場23〜25℃の厳守が必要です。雷や台風による停電リスクに備え、スマートリモコンでの遠隔監視や遮光カーテンの利用を推奨します。
3.水分補給は「お皿タイプ」も併用
ノズル式給水器は飲水量が少なくなりがちです。給水器に加え、床置きの倒れにくい重いボウルを併用しましょう。
4.リビングの「滑り・飛び降り」対策
脱臼や骨折は興奮時のフローリング滑りやソファーからの飛び降りで発生します。滑り止めマットの敷設や家具へのガード設置を行いましょう。
留守番に慣れさせるためのトレーニング

1 ハウスを安心できる場所にする
おやつやおもちゃで「良いことが起こる場所」と教えます。罰として閉じ込めるのは逆効果です。
2 短い時間から少しずつ慣らす
別部屋への移動練習から始め、少しずつ外出時間を延ばします。不安そうなら一つ前の段階に戻りましょう。
3 出発前・帰宅時はあっさりと接する
出発時や帰宅時に大げさに声をかけると不安や興奮を煽り、「留守番=特別で不安な出来事」と受け止めてしまいます。静かに対応し、落ち着いてから優しく接しましょう。
【獣医師チェック】トレーニングのコツと「分離不安」への3つのアプローチ

1.外出の予兆(キュー)の鈍感化
鍵を持つ、上着を着る等の動作は犬にとって「置いていかれる合図」になります。出かけない時にも上着を着たり鍵をポケットに入れる練習をして結びつきを弱めましょう。
2.知育トイ(コング等)の活用
出発直前にフードを詰めた知育おもちゃを与えると、頭を使って疲れさせる効果と「飼い主が消える=美味しいものがもらえる」というプラスの学習が期待できます。
3.分離不安症への注意点
姿が見えなくなると吠え続ける、クレートを壊そうとしてケガをする、不適切排泄や自傷行為がある場合は「行動医学的な疾患」の可能性があります。無理なトレーニングはトラウマを悪化させるため、必要に応じて動物病院での投薬治療や行動療法を並行してください。
それでも留守番が心配な時は
対策をしても長時間の外出やシニア期・持病のある子の留守番には限界があります。
ライフスタイルや愛犬の性格に合わせて専門家の手を借りるのも賢い選択です。
| サービス種類 | 適しているタイプ | メリット・特徴 | 愛犬のストレス |
|---|---|---|---|
| ペットシッター (自宅訪問型) | 環境変化に弱い子、シニア犬、持病のある子、他犬が苦手な子 | 住環境が変わらないため普段と同じペースでケアを受けられる。鍵の事前預かりで急な残業等にも柔軟に対応。 | 【非常に少ない】 住み慣れた自宅で過ごせるため、環境変化による精神的・身体的負担がほぼありません。 |
| ペットホテル・動物病院 (施設預かり型) | 社交的な子、急変リスクが高く獣医師常駐が必要な子 | 施設預かりのため医療面や24時間管理の安心感が大きい。 (※病院併設の場合、入院中の動物の鳴き声等への配慮が必要) | 【やや大きい〜大きい】 慣れないケージ移動や環境の変化、他の動物の気配や鳴き声がストレスになる場合があります。 |
| デイケア・犬の幼稚園 (日帰り型) | 体力が余っている若い犬 | 運動不足や退屈からの破壊行動を防ぎ、社会化も学べる。 (※完全予約制・曜日固定が多く、急な留守番には不向き) | 【少ない〜普通】 他犬との交流を楽しめる子にはストレス発散になりますが、人見知り・犬見知りの子には負担になります。 |
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【獣医師チェック】ペットシッターやペットホテルへ預ける際に飼い主様が確認・共有しておくべき3つのポイント

1.事前カウンセリングでの健康状態の共有
単に持病名を伝えるだけでなく、「どういう症状(呼吸が荒くなる等)が出やすいか」という初期サインと応急対応マニュアルを伝えます。
2.病院情報と非常時権限の委任
かかりつけ医の診察券・保険証・お薬手帳の場所を明記し、「事前連絡がつかない場合も〇〇万円までの応急治療を許可する」といった委任の意思を伝えておくと迅速な治療につながります。
3.普段からの慣らし利用
普段から少しずつ利用してシッターと顔なじみを作っておくことが、いざという時の愛犬のストレス軽減につながります。
※体調が不安定な場合は『メディカルケアシッティングプラン』の利用がおすすめです。
まとめ:正しい知識と備えで、留守番の不安を減らす

愛犬の留守番への不安は、その子の安全と幸せを心から願う優しい気持ちがあるからこそ生まれるものです。
留守番対策に「これひとつで完璧」という魔法の答えはありません。
環境整備や慣らし練習、時にはシッターなどプロの力も頼りながら、その子に合った「安心」を一緒に作っていきましょう。
それでも「長時間の留守番が避けられない」「どうしても心配」という時は無理をせず、プロの力を借りるのも愛犬を守る大切な選択肢です。獣医師監修のもとワンランク上のケアを提供する『Olive Sitter(オリーブシッター)』へ、ぜひお気軽にご相談ください。
【参照元情報】
※1 アニコム損害保険株式会社「ペットのケガや事故の実態調査」
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