こんにちは!東京・神奈川・北海道のペットシッター「Olive Sitter」です。
愛するペットと遊んでいたらつい興奮してしまい、強く噛まれてしまった。
近所のわんちゃんに近づいたら噛まれてしまった。
もしそのような事態になったらどのような対処をすべきかご存じでしょうか。
動物に噛まれた傷「動物咬傷」は、感染症のリスクもあります。
まずはどのような対処が必要なのか、
病院は何科へ行けばよいのか
今回ご紹介したいと思います。
ペットを飼っている方だけでなく、
ペットと触れ合う機会のある方々、例えばペットホテルやペットシッターの方々もぜひご覧ください。
1.犬に噛まれたとき、まずはどうすればいい?
犬や動物に噛まれてできた傷を「動物咬傷」といいます。
この動物咬傷は、普通の怪我に比べ感染症リスクが高くなるため、通常の切り傷などとは対処が異なります。
噛まれた傷を数日間放置し続けて真っ赤に晴れて痛みがでてくることがあります。こうなってしまうと、手術が必要になってきたりと大けがとなる場合もあります。
なぜ動物に噛まれると感染症のリスクが高いのでしょうか?
人も含め、生き物の口の中には細菌が多くいます。
また、動物には牙がありますから、この牙がしっかりと深くまで入ってしまった場合の傷口は
とても深い傷になり、傷の重症化や感染症リスクが高まるのです。
それでは咬まれてすぐの対応としては何をしたらよいのでしょうか。
まずは自宅で5分ほど流水をかけます。水道水でよいです。
基本的には動物に噛まれたら病院へ行きましょう。
処置としては抗菌薬を処方してもらうことになります。
傷口をふさいでしまうものは避けましょう。液体ばんそうこうなどは特にウイルスを体内に閉じ込めてしまうことになるので注意です。
もし傷口から血が出ている場合には、清潔なタオルや清潔なガーゼで傷口をグッと圧迫して止血しましょう。
傷や出血を確認したくなっても我慢し、止血が完了するまでしっかり圧迫をしましょう。
手足などであれば、心臓よりも高くあげておきます。
止血ができないほどの出血がある場合には、迷わず救急車を呼びましょう。
重度の感染の場合には、点滴などの処置がある場合があります。
2.犬にかまれたら病院ではどのように何を伝えたらよいのか?
いつごろ、どの部位をかまれたのか。
破傷風のワクチンはうけたか?
家でどんな対処をしたか?
等を伝えましょう。
3.犬に噛まれたことでかかる可能性のある感染症
次に、動物咬傷による感染症について具体的にどのようなものがあるのかご紹介します。
まずは、上記にも記載している破傷風です。
■破傷風
破傷風は、破傷風菌(Clostridium tetani )が産生する毒素のひとつである神経毒素(破傷風毒 素)により強直性痙攣をひき起こす感染症である。破傷風菌は芽胞の形で土壌中に広く常在し、 創傷部位から体内に侵入する。侵入した芽胞は感染部位で発芽・増殖して破傷風毒素を産生する。破傷風の特徴的な症状である強直性痙攣は破傷風毒素が主な原因であり、潜伏期間(3 ~21 日)の後に局所(痙笑、開口障害、嚥下困難など)から始まり、全身(呼吸困難や後弓反張など)に 移行し、重篤な患者では呼吸筋の麻痺により窒息死することがある。近年、1 年間に約40 人の患 者(致命率:約30%)が報告されているが、これらの患者の95%以上が30 才以上の成人であった。(国立感染症研究所より引用)
感染の経路として、犬がお散歩中に破傷風菌のある土を舐めると犬の舌には破傷風菌がつきます。その口で手を噛むと噛まれた人は破傷風に感染する可能性があります。
土に触れる可能性のある動物にはすべてこのリスクがあります。
破傷風の対処についても解説します!
日本人は、幼少期に破傷風のワクチン接種をしています。そのため動物に噛まれたとしても破傷風の心配をすることはほとんど不要なのですが
ワクチンの効果は10年程度ともいわれています。そのため万が一の時に備え、ワクチンを投与される可能性があります。
■狂犬病
犬に噛まれたときに最初に思い浮かぶのが、まずこの狂犬病ではないでしょうか。
狂犬病とは、狂犬病ウイルスに感染することで発症する病気です。
名前に「犬」と入っているので、犬からのみ感染すると思われがちですが、実は狂犬病は犬以外の動物も狂犬病ウイルスを持っています。
狂犬病の恐ろしいところは、人間が感染すると100%死に至るところです。
日本では狂犬病で亡くなったという例は近年ありませんが、
アジア、南米、アフリカで、全世界では毎年50,000人以上が死亡しています。
狂犬病の場合、感染してから一か月ほどで下記の症状がでてきます。
発症するまでの症状を解説します。
潜伏期間は、人によりさまざまと言われています。咬まれた傷口の大きさや場所、ウイルスの量などで異なるようです。
咬まれた場所にでる症状としては、痛み、しびれ、感覚麻痺、やけどの後のような感覚異常などが挙げられます。
初期症状として、発熱、頭痛、筋肉痛、悪寒など、インフルエンザなどでもみられる症状がでてくるようです。
進行症状としては、神経症状が起こってきます。具体的には興奮、意識障害、錯乱、幻覚など。
狂犬病における特徴的な症状には、水が怖くて飲めない、手が洗えない(恐水症)、風が怖くエアコンなどの風も怖い(恐風症)などがあります。
このような症状の後全身けいれんや不整脈が起き臓器障害などを引き起こします。その結果死に至るのです。
■猫ひっかき病(バルトネラ症)
通称猫ひっかき病と言われるバルトネラ症、バルトネラヘンセレという菌が原因の感染症です。
バルトネラ感染経路としては、猫が、寄生した猫ノミの糞便中に排泄された菌をグルーミングの際に歯牙や爪に付着・汚染させ、人へ創傷感染するものと思われる。
一方、猫-猫間の本菌の感染伝播にはネコノミが重要なベクターとなっている。まず猫ノミに吸血された猫や犬がバルトネラヘンセレに感染します。そして、その感染した動物が人間を噛んだりひっかいたりすることで、二次感染が起きます。(猫感染症研究会より)
猫を媒体として発症することが多いため、「猫ひっかき病」と呼ばれていますが、実は犬からも感染する可能性があります。
4.犬に噛まれたら病院は何科へ行けばいい?
まず、動物に咬まれたら基本的に動物病院へ行きましょう。
どんな犬に咬まれたかということもポイントです。特に野良犬や野良猫はどのようなウイルスを持っているかわからないので、応急処置をした後は病院での処置を受けましょう。
では、病院では何科へ行けばよいのでしょうか。
動物に咬まれた場合には救急外来を受診しましょう。
外科系の医師がいるところが好ましいです。
痛みやピリピリとした感じ、かゆみなどが咬まれたところだけでなく全身にある場合、痙攣や息苦しさなどがある場合は迅速に病院へいきましょう。
また何らかの原因で免疫力が落ちている場合などは病気の重症化のリスクが高まります。
ご高齢の方、糖尿病の方、ステロイドを使用している人などは早めに病院へ行くことをおススメします。
病院へ行く間、嚙んでしまったわんちゃんのケアについては
自宅のゲージ内でゆっくりさせるのも良いですし、
東京・神奈川・大阪・北海道のペットシッター「Olive Sitter」を利用して、お散歩へ行ったり、リフレッシュをさせてあげるのも良いでしょう。
5.まとめ
普段は愛らしくてついついなでたり触ったりスキンシップを取りたくなるペット。
ですが過度なスキンシップ(キスなど)には注意をしましょう。
人間が感染すると重症化するウイルスに感染してしまうこともあります。
リスクをしっかりと理解しながら、愛するペットとの幸せな時間を過ごしていきたいですよね。